マルチメディア WWWで扱うマルチメディア目次 画像の変換と加工

静止画像

WWWブラウザで利用できる画像フォーマットはいろいろありますが、一般的には次のようなものが使用されています。

おもな画像フォーマット
略称フォーマット名
GIF Graphics Interchange Format
JPEG Joint Photographics Experts Group Bitmap
XBM X11 Bit Map Format
DIB Device Independent Bitmap
TIFF Tagged Image File Format
PDF Portable Document Format
HDF Hierarchical Data Format
PCX PC Paintbrush
PICT Macintosh PICT Format
EPS Encapsulated PostScript (PS)
PNG Portable Network Graphics format


GIF (Graphics Interchange Format)

このGIFまたはCompuServe GIFと呼ばれる画像フォーマットが、JPEG(またはJPG)と並びインターネット上でもっとも普及しています。GIFの開発はCompuServeで行われ、その仕様が一般公開された(つまり著作権で使用を制約しなかった)ことから、GIFはパソコン通信やインターネット利用者間の画像交換標準フォーマットとなりました。
GIFはjiff(ジフ)と発音したり、giff(ギフ)と発音する人がいます。
GIFフォーマットは1987年に開発されたGIF87と呼ばれるオリジナル・フォーマットと、1989年に仕様改定されたGIF89aと呼ばれる拡張フォーマットがあります。GIF89aでは透明色、インターレース、アニメーションがサポートされ、これらとは別にGIF87のインターレースをサポートしたGIF87aもあります。

各ブラウザがサポートするGIFフォーマットの比較
ブラウザGIF87GIF89a
(透明色)
GIF89a
(インターレース)
GIF89a
(アニメーション)
Mosaic××
ネットスケープ
インターネット・エクスプローラ

GIFファイルは256色しか表わすことができないという制限があるため、複雑な絵や写真などの表示にはあまり適していません。そのため、ロゴ、アイコン、ラインイメージなど比較的シンプルな画像で用いられます。

GIFは画像の圧縮技術としてLZW(Lempel-Zev-Welch)アルゴリズムを使っており、このLZWアルゴリズムのパテントを持つユニシス社が突然使用料(印税)を要求したことから、一時は大きな問題となりました。結局、ユニシス側がソフトウェアにおける印税の請求は行わないという声明を発表し、一応の収束をみています。しかし、GIFが完全にフリーでないことがわかったため、CompuServeはUUNetと新しい標準フォーマットであるPNG(pingピングと発音)/GIF24の開発を始めましたが、今のところ、このフォーマットは従来のGIFにとって代わるほどの勢力がありません。また、積極的なJPEGの利用も目立ってきました。 

JPEG (Joint Photographic Experts Group)

JPEG(jay-peg、ジェイペグと発音)はJoint Photographic Experts Group(JPEG)が標準化したフォーマットであり、写真など色の多い画像を表示する場合に最適です。

もともとJPEGは写真画像を蓄積する目的で設計され、GIFよりも多くの色、そして優れた圧縮アルゴリズムをサポートしています。一時、JPEGはインターネット上、外部イメージとしてしか扱えなかったのが、ネットスケープやMosaic2.5以降からインラインイメージとして扱えるようになりました。しかし、JPEGはまだインターレースや透明化のサポートが行われておりません。また、JPEGは小さな画像を圧縮するとファイル容量が大きくなる場合もあり、アイコンなど小さくて色数の少ない画像には不向きです。

その後、効率的な画像表示を行うため、プログレッシブJPEGが開発されました。プログレッシブJPEGは、インターレースGIFよりもスムーズにじわじわ表示する効果があります。

PNG (Portable Network Graphics format)

前述のとおりPNGは1994年の終わり頃からGIFの著作権を避ける目的で開発され、将来GIFにとって代わるであろう画像フォーマットです。xvやImageMagickなどPNG表示可能なプログラムが作動していれば、外部イメージとしても取り扱えます。なお、Mosaic2.7からインラインイメージとして扱いだして以来、他のWWWブラウザも順次サポートするようになってきました。PNGには以下の特徴があります。

GIFとJPEGの比較

現在、もっとも一般的な画像フォーマットであるGIFとJPEGを比較してみましょう。

GIFJPEG
画像タイプビットマップビットマップ
1〜8ビット(256色)1〜24ビット(167,000色)
圧縮方法LZWJPEG
開発者CompServeJPEG
特殊効果透明色、インターレース
アニメーション
プログレッシブJPEG

GIFには、なんといっても256色以上の色を出せないという欠点があるため、写真のような高彩度を要求される画像には適していません。JPEGは圧縮技術が優れているため、高彩度の画像を小さなファイルサイズにして送れる一方、サイズの小さいロゴやアイコンのような画像は、圧縮するとファイルサイズがむしろ大きくなる場合もあることは既に延べました。

GIFがJPEGより優れている点は、透明化、インターレース、アニメーションが可能なことです。今やごく一般的な透明化GIFやイメージをじわじわ描画するためにインターレースGIFは、WWWにとって不可欠な要素といえます。

GIFイメージの透明化とインターレース

WWWがインラインイメージをサポートしたことはかなり画期的でしたが、HTML文書を見せる手法として透明化イメージをサポートしたことも、やはり画期的でした。もともとGIF自身にその機能はあり、それをブラウザで活用した結果、背景のイメージへ別のイメージを重ねることで、より面白いページが作れます。XBMフォーマットの場合は、特定の部分へ色を着けないでおけば、そこが透明になる設計です。

たとえば、通常のGIFイメージと背景を透明にしたGIF(GIF89a)イメージは、効果を比較してみると以下のごとく歴然としており、別の背景イメージへ重ねた場合は、より顕著な効果が現れます


通常のGIFイメージと透明化GIFイメージの比較

 
通常のGIFイメージ透明化GIFイメージ


細かい背景イメージでの比較
 
通常のGIFイメージ透明化GIFイメージ


また、インターレースGIFも面白い効果が得られます。これは転送中の画像をじわじわと表示することで、いち早く読者へイメージの輪郭を伝えられます。したがって、転送が終わるのを待たず不必要な画像はキャンセルできるため、インターネット上の無駄なトラフィックを減らすことが可能となるわけです。

インターレースGIFは、画像が4バスのインターレース形式で保存されており、インターレース形式のデータは4つのデータグループに分けられます。

行数第1グループ第2グループ第3グループ第4グループ
0   
1   
2   
3   
4   
5   
6   
7   
8   
 

このように保存することで、画像がじわじわと表示されるようになります。

GIFイメージの変換

以下はGIF87フォーマットをGIF89aフォーマットへ変換するツールです。

ツール名UniXWindowsMacintosh備考
Netpbm/Pbmplus△(一部あり)× 
Giftrans××透明化
Transparency××透明化
Giftool××インターレース化
LView Pro×× 
Gif Convert×× 
GIFイメージ変換ツール



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