イメージ WWWで扱うマルチメディア目次 クライアントサイド・クリッカブルマップ

クリッカブル・イメージマップ

WWWのイメージを扱った、もう1つの面白い機能にクリッカブル・イメージマップ(略してクリッカブルマップ)があります。ハイパーリンクをイメージでポイントできることは前に説明しましたが、ポイントが多くなったり、図の一部へポインタを持たせたい場合、通常の方法だと無理です。それをできるクリッカブルマップとは、インラインイメージのある場所や区画をハーパーリンクのポインタにする機能を持っています。ただし、イメージを表示できるブラウザ(閲覧ソフト)でなければ作動しません。そのため、イメージを表示できないブラウザ用の補助アンカーを用意したほうが親切でしょう。

 
NCSA Mosaicでは、インラインイメージとしてJPEGを使用すると、クリッカブルマップが作成できません。
 

クリッカブル・イメージマップの作り方は以下のとおりです。

  1. 使う画像を作成し、どの部分をポインタにするか決めます。
  2. ポイント部分の座標を書き出します。
  3. 座標とURLを記述したイメージマップ・ファイルを作成します。
  4. クリッカブルマップをテストします。
このクリッカブルマップにはimagemapユティリティが必要で、NCSA httpdパッケージなどに含まれています。まず、imagemap.cでコンパイルし、cgi-binへ入れておきます。なお、デフォルト(初期設定)ではimagemap.cimagemap.confファイルを収めるディレクトリが/usr/local/etc/httpd/confと記述されているので、他のディレクトリに収めたい場合は、ここの部分を変更して下さい。

イメージマップ

イメージマップは次のフォーマットで成り立ちます。

	形状  URL  座標1 座標2 ・・・ 座標n
以下のとおり、形状はデフォルトと点以外の3つのうちのどれかで、ポインタ部の座標をx,yで表します。

rect(四角形): 座標は左上角と右下角の2つ
circle(円形): 座標は中心点と円周上の任意点の2つ
poly(多角形): 座標は各角で100角形まで使用可能
point(点): 座標は1つ
default(デフォルト): 指定されたポイント部以外の部分

rect x1,y1 x2,y2
circle x1,y1 x2,y2
poly x1,y1 x2,y2 x3,y3...x10,y10
クリッカブルマップにおけるポインタ部の表し方

URLは自身のサーバ資源を表わす場合、http://hostnameを省略できます。

イメージマップの作成方法

イメージマップのポイント部を示す座標を知るには次の方法があります。

XVを利用する方法

XVはイメージをマウスでなどればポインタの座標が表示されます。表示された座標を使ってイメージマップを作成します。

クリッカブルマップ用ツール

クリッカブルマップを簡単に作れるツールとして、WindowsやX11ウインドウにはmapeditがあります。GIFイメージを読み込み、マウスで四角、円、多角形を描いてURLを指定すれば、自動的にイメージマップが作成されます。


mapeditプログラム

マッキントッシュではWebMapと呼ばれるツールがあります。これはフリーソフトウェアではありません。

上記以外のクリッカブルマップ編集ツールは下表のとおりです。

プログラムプラットフォーム入 手 先
Map This Windows http://galadriel.ecaetc.ohio-state.edu/tc/mt
Web Hotspots Windows http://www.hooked.net/users/1auto
MapMaker Windows (XVが必要) http://icg.stwing.upenn.edu:80/~mengwong/mapmaker.html
MacMapMaker Macintosh ftp://ftp.uwtc.washington.edu/pub/Mac/Network/WWW
Tkmapedit TCL/TK ftp://ftp.aud.alcatel.com
glorglox Unix http://www.uunet.ca/~tomr/glorglox/

マップファイル

イメージマップができたら、次はWWWサーバのconfディレクトリへimagemap.confファイルを作成します。imagemap.confは「名前: イメージマップ・ファイル」のフォーマットで成り立ちます。
	
	
	hlink: /scripts/map/hlink.map
	
	

イメージマップ用HTMLタグ <img ismap>

HTML文書の中でクリッカブル・イメージマップを利用するには<img>タグのismap属性を使用し、該当するインラインイメージを読み込む時、次のように指定します。
	
	
	<img src="URL" ismap>
	
	
そして、ハイパーリンクを有効にするため、イメージマップ・ファイルで作成した名前を"/cgi-bin/imagemap/"の下に置いてリンクします。先の例"hlink"なら以下のとおりです。
	
	
	<a href="/cgi-bin/imagemap/hlink"><img src="/scripts/map/hlink.gif" ismap></a>
	
	

CERN httpdサーバのクリッカブルマップ

CERNのWWWサーバはhtimageというユティリティを使用します。マップファイルは次のようなシンタックスとなっています。
default URL
circle (x,y) r URL
rectangle (x,y) (x,y) URL
polygon (x1,y1) (x2,y2)...(xN,yN) URL
NCSA WWWとは違って座標を括弧でくくります。また、名前も少々異なります。

NCSA httpdCERN httpd
default default
circle circle
rect rectangle
poly polygon
point -
サーバによるポイン
ト部の表し方の違い



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